立ちくらみとめまいの違いとは
【立ちくらみ】
横になった状態や座った状態から立ち上がったときに、目の前が暗くなったり、頭がクラっとしたりする感覚です。立ち上がった際に、血圧が低下し、脳への血流が一時的に減少することで起こります。
数秒程度で治まることが多いですが、意識が遠のいたり失神したりすることもあります。
【めまい】
周囲や自分が回っている、身体が揺れている、足元がふわふわするといった感覚です。
症状の現れ方には、周囲や自分が回るように感じる「回転性めまい」や身体が揺れる、ふわふわすると感じる「浮動性・動揺性めまい」などがあります。
めまいは、立っているときだけでなく座っているときや横になっているときにも起こります。ただし、寝返りや起き上がりなど、頭の位置を変えたときに起こるものもあります。
立ちくらみ、めまいの原因とは
【立ちくらみ】
・起立性低血圧や脱水、出血などによる血圧・循環血液量の低下
・不整脈や弁膜症などの心疾患
・貧血や低血糖
・自律神経機能に影響する病気や薬剤
立ち上がった際に血圧が大きく低下する起立性低血圧では、目の前が暗くなる、身体がふらつくといった症状があらわれます。水分摂取不足や発汗、下痢などによる脱水でも、循環する血液量が減少して立ちくらみが起こることがあります。
また、不整脈や弁膜症などによって心臓から十分な血液を送り出せなくなると、立ちくらみや失神を起こす場合があります。動機や胸痛、息切れなどを伴う場合は注意が必要です。
貧血では全身へ酸素を運びにくくなることで、立ちくらみ、倦怠感、動悸、息切れなどがあらわれます。
低血糖でも、冷や汗、手の震え、動悸、意識が遠のく感覚などがみられることがあります。
【めまい】
・良性発作性頭位めまい症やメニエール病などの内耳の病気
・脳梗塞や脳腫瘍などの脳の病気
・貧血、低血圧、低血糖などの全身状態
・持続性知覚性姿勢誘発めまいなどの慢性めまい
内耳には、身体の傾きや回転を感知し、バランスを保つ器官があります。良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎などによって内耳や前庭神経の働きに異常が起こると、回転性めまいやふらつきがあらわれることがあります。
脳幹や小脳などに生じた脳梗塞でも、めまいやふらつきが起こる場合があります。片側の手足の麻痺、ろれつが回らない、物が二重に見える、立っていられないといった症状を伴う場合は、速やかな受診が必要です。
また、低血圧や貧血、低血糖などでも、めまいに似た感覚があらわれることがあります。
慢性的なめまいには、内耳の病気などをきっかけに発症し、立位や身体の動き、複雑な視覚刺激によって悪化する「持続性知覚性姿勢誘発めまい」などもあります。
立ちくらみ、めまいの予防法とは
【立ちくらみ】
・適度な運動を取り入れる
無理のない範囲での運動は、立ちくらみの予防に効果的です。
軽いウォーキングやスクワットなど、下半身を動かす運動は足にたまりやすい血液を心臓に戻す働きを助けます。
こうした運動を日常的に続けることで、血圧の急な変動を防ぎ、起立性低血圧の改善にもつながります。
立ちくらみを繰り返す方は、1日数分から体を動かす習慣をつけてましょう。
・生活習慣を整える
立ちくらみを防ぐ基本は、体のリズムを整えることです。しっかり眠る、栄養のある食事をとる、ストレスをためこまない、こうしたシンプルな習慣が自律神経の安定につながります。
生活リズムが整うと、体全体のコンディションもよくなり、自然と立ちくらみを起こしにくい体に近づきます。
・ゆっくり立ち上がる
朝起きたときや、長く座っていたあとには、勢いよく動かないことが大切です。
いきなり立ち上がると血圧が一時的に下がり、立ちくらみを起こしやすくなります。起き上がる前に、足首やつま先を軽く動かして体を慣らし、数秒かけてゆっくり立ち上がるようにしましょう。
少しの工夫だけでも、血圧の変動を防ぎ、毎日のふらつきを減らすことができます。
【めまい】
・規則正しい生活
規則正しい生活を送ることで、自律神経の乱れが整い、めまいが起こりにくくなります。
また、規則正しい生活にはバランスのとれた食生活や十分な睡眠が不可欠です。
貧血になりにくいように鉄分摂取を心がけたり、むくみを予防するために塩分の過剰摂取に注意しましょう。睡眠時間が少ないと頭がぼんやりして、日中の活動に影響が出て心の不調につながるおそれがあります。
バランスのとれた食生活は、体だけでなく心の健康にもつながります。食事を楽しみ、十分な睡眠を確保することで、めまいの予防につなげましょう。
・寝返り運動
良性発作性頭位めまい予防には、
▶いつも同じ体の向きで寝ない
▶頭を少し高くして寝る
▶寝返り運動
があります。
いつも同じ体の向きで寝ると、耳石が三半規管にたまる可能性が高くなるため、横になるときには注意しましょう。また、頭を少し高くして寝るだけで耳石が三半規管に入りにくくなります。
めまいの予防に効果的な習慣は、寝返り運動です。起床時と就寝時の1日に2回おこなうようにしましょう。
1.仰向けになって10秒
2.顔だけ右を向いて10秒
3.仰向けに戻って10秒
4.顔だけ左を向いて:10秒
これを1セットとして、5セット程度繰り返します。首が痛い場合は、顔だけでなく体ごと向きを変えるようにしましょう。
めまいが改善されたとしても、頭を動かすと再びめまいを起こさないか不安になるかもしれませんが、同じ向きばかりでじっとしているのではなく、頭位を変えることが予防において重要です。良性発作性頭位めまい症を経験した方は、可能な範囲で寝返り体操を心がけましょう。
・禁煙
喫煙は血流を悪くし、脳卒中や心疾患などのリスク要因となります。これらの病気の症状としてめまいが起こる可能性もあるため、禁煙はめまいの予防にもなります。
まとめ
立ちくらみは目の前が真っ暗になる状態で、めまいは自分や周りが回るような状態です。立ちくらみは一時的な場合が多いですが、めまいは何度も繰り返し起こる場合が多いです。
立ちくらみは心血管系や自律神経の異常と考えられており、めまいは耳や脳の病気が原因の可能性があります。
立ちくらみやめまいの予防には、急に立ち上がらないことやバランスの良い食事、適度な運動が効果的です。
症状がひどい場合や、長引く場合は、病院を受診ください。