浮腫みはなぜ起こるのか
血液は、心臓から全身の細胞へ酸素・栄養分を運搬するために、動脈を通過して送り出されます。
また、酸素・栄養分を届けるだけではなく、細胞から排出された二酸化炭素や老廃物も運び、静脈を通過して心臓へ血液を戻します。そのため、足の血液は重力に逆らって心臓へ流れなければいけません。
そこで、血液を戻すためのポンプの役割を果たすのが、ふくらはぎの筋肉になります。
ふくらはぎは、「第二の心臓」ともいわれ、筋肉を収縮させることで静脈が圧迫され、血液が押し出されます。
この動きが、うまく機能しなくなることでふくらはぎに血液が溜まり、浮腫みが発生します。
浮腫みの原因とは
【疾患によるもの】
・心不全
心臓に何らかの異常があることで、他の臓器にとって必要な血液を送り出せなくなる状態です。血液が身体中に巡らなくなることで、水分が外に出てしまうため浮腫みがあらわれます。
・リンパ浮腫
全身に張り巡らされたリンパ管に流れるリンパ液が、何らかの理由で流れにくくなり四股に溜まってしまう状態です。がんの手術後に起きやすく、手術してから5~10年後に突然発症する方もいます。
また、身体のどこも悪くないのに発症する「突発性リンパ浮腫」もあります。自然治癒ができない疾患なので、完治させるには医療機関へ受診することが必要になります。
・静脈血栓症
長時間同じ姿勢で過ごすことで、足に血栓ができるケースがあります。この血栓が原因で血液の流れが滞り、浮腫みが生じます。足を動かしたり水分を摂ったり、弾性ストッキングをはいたりするなどの対策が有効です。
・腎不全、肝不全
肝臓の機能が正常に機能しなくなると、肝臓内で作られる「アルブミン」の量が減ってしまいます。アルブミンとは、血管に水分を取りこんだり排出させたりする機能を担うたんぱく質の一種です。アルブミンが減少すると、浮腫みが生じます。
・下肢静脈瘤
足の静脈の中には、心臓へ向かった血液がもう一度足へ戻らないようにする「静脈弁」があります。この静脈弁が何らかの理由で壊れると、血液が逆流して足へ停滞し、浮腫みを引き起こします。
【一時的なもの】
・長時間の同じ姿勢
長時間同じ姿勢で過ごすことで、ふくらはぎの運動量が少なくなり、ポンプ機能がうまく機能しなくなります。
その結果、足に血液が滞ってしまい、浮腫みが生じます。
・栄養不足
栄養が不足してしまうと血中のアルブミン量が減少してしまいます。すると臓器に問題がなくても、浮腫みが生じやすくなります。特に、カリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラル、ビタミンB1、たんぱく質はこまめに摂りましょう。
・運動不足
運動量が不足することで、ふくらはぎの筋肉が落ちてしまいポンプ機能も一緒に衰えてしまいます。その結果、足の血液が心臓へ戻りにくくなり、浮腫みが引き起こされます。
・飲酒
お酒を飲みすぎることで体内の水分が失われてしまい、血液濃度が上昇します。その結果、身体が血液濃度を戻そうと血管内に水分を取りこもうと動き、浮腫みが引き起こされます。
浮腫み検査とは
・尿検査
腎不全があると尿の中にアルブミンが混ざるようになります。尿検査で尿中のアルブミンの量を調べ、腎不全の有無を確認します。
・血液検査
肝臓や腎臓、甲状腺の機能、貧血の有無、BNP値(心不全の重症度を表す値)について調べます。
・下肢血管エコー検査
足の静脈に、血栓ができていないかを確かめる検査です。血栓が肺へ流れてしまうと「下肢静脈血栓症」という、疾患を引き起こす危険性があるため、確かめます。
・胸部レントゲン
心不全の有無を調べる検査です。心不全が疑われる場合は、心エコー検査などの精密検査必要になる場合があります。
浮腫みの対策とは
・十分な睡眠
横になることで足に溜まった水分が移動し、循環する血液量が増えていきます。すると、腎臓への血液量も増え、余分な水分が尿として排出されるようになり浮腫みが解消されます。
・マッサージ、ストレッチ
ふくらはぎをなでるようにマッサージすることで、リンパ液の流れを改善させます。また、ストレッチで腓腹筋やヒラメ筋をほぐすことで、血流が改善され血行を促進させることができます。
・ビタミンEとカリウムの摂取
塩分を体外へ排出させる「カリウム」や血流を改善させる「ビタミンE」をこまめに摂取しましょう。
また、浮腫みを引き起こすナトリウムが体内に溜まらないようにするには、塩分量を抑えた食事を心がけることも重要です。